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My life with Tigers 

タイガースの戦いに一喜一憂しながら、
日々の生活は続いてゆく

いつかの少年
幼い頃の、ある病室での記憶。
僕の隣のベッドには、同い年くらいの一人の少年がいる。
少年は窓を背にして、僕に微笑みかける。

名前も顔も覚えていないくせに、
僕とその少年の、その間にある空気は鮮明に覚えている。

少年は重い病気を患っている。
周りの大人たちの態度から、何となくそう感じた。

どのくらい、僕は入院していたのだろう。
いったいどのくらいの時間を少年と共有したのだろう。

寂しくて泣いている僕を、
少年は「泣き虫」と意地悪そうに笑った。

少年は玩具をたくさん持っていた。
ベットの脇にはテレビもあった。
羨ましそうに見ている僕を見て、また意地悪そうに笑った。

一緒に遊ぼう、少年がそう誘ってきた。
僕は断った。それが僕のプライドだ。
でも、すぐに折れた。僕のプライドなんてそんなもんだ。

僕らは友達になった。
僕らの遊び場所、それはベットの上。

そして、快復した僕は、少年を残して退院した。
その時の記憶がない。
どんな顔で僕は少年と別れたのだろうか。

日常の生活に戻ると、僕は少年のことなんて、
すぐに忘れてしまった。

少年は心臓を患っていた。
快復する見込みはない。
その事を知ったのは、何年も後のこと。

病室で一緒に遊んだ鉄腕アトムの玩具。
あれから何年も押入れの中で眠ったままだ。

僕は大人になった。
何かに迷ったり、逃げ出したくなったとき、
少年の笑顔が浮かぶ。

「泣き虫、弱虫」

そうやって、意地悪そうに笑うのだ。
奴はいつだって少年のままだ。

| 日記 | 01:27 | comments(0) | trackbacks(0) |