ロン

小さな心臓はもう限界に思えた。
それでもロンは必死に抵抗していた。
だから、思わず言ってしまった。
もう頑張らなくていい
ロンはあきらめて、僕の腕に顔をうずめた。
僕の言葉が届いてることを初めて知った。
出会った頃は誰の言葉にも反応しなかった。
ずっと自分の殻に閉じこもったままだったロン。
目が見えないから、言葉で伝えなきゃと思って、
ずっと気持ちを伝えてきた。
生まれてくれてありがとう
愛してる
小さな体に顔を寄せると、心臓の音が聞こえた。
毎晩一緒に寝ながら聞いていたリズム。
少しずつ、少しずつ、音は小さくなっていき、何も聞こえなくなった。
ロンがいなくなって3週間ちかく。
僕の生活は未だにロンが中心に動いている。
いつも心のどこかにロンがいる。
たくさんのハンディをかかえながら、
一所懸命に生きたロンの7年間。
ロンが残してくれたモノ。
それを考えることが、今の僕にできる精一杯のこと。
ゆっくりと。